K社は見積もりの締め切りに遅れました。見える筋交いをリビングに設置する案。手計算で耐震強度を算出する約束でしたが、数値は添付されていませんでした。R社で応対してくれた一級建築士は、構造の経験が乏しい旨を依頼時に打ち明けてくれました。提出されたプランは、1階の東側の壁全面に構造用合板を張る案。数値は添付されていません。S社は「既存住宅性能表示」の結果をうのみにしないで、自分たちで現況検査へ訪れました。
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一行は3名。一級建築士のIさんが小屋裏に入ります。そして、検査機器などを使い、各部屋の柱や筋交いの位置を確認してゆきます。1階リビング東壁。きわめて重要な壁です。それは運命を分けた壁でした。建築確認の設計図を尊重すれば、そこに筋交いは入っていません。しかし多少でも建築の知識のある人間なら、どう考えてもそこへ筋交いを入れる壁です。わたしは入っていると思っていました。Iさんは、壁の石膏ボードを外して中を見たいと言いました。どこへ工事を頼むにしろ、その壁は補強のポイント。筋交いの有無は絶対に確認すべき案件でした。その壁は、「雨水が外壁裏を流れている痕跡有」の部位のちょうど上に当たります。作業は、石膏ボードを切って外して、確認したうえで新しい石膏ボードを張る。実費だけでいいという旨。わたしは「お願いします」と答えました。やがて石膏ボードは外れました。あ、筋交いだ。しかもダブルの筋交い。「筋交い、入ってますね」思わず心の中でガッツポーズ。ここに筋交いが入っていれば、それだけで耐震強度はぐんとアップするはずです。